改めてFreeCADの紹介を。

このブログでは
FreeCADの使い方の講座等は行わないが、FreeCADの紹介はしておきたい。

まず以下に公式サイトのリンクを張り付けておく。

http://www.freecadweb.org/
 
Freecad_jeep

FreeCADはオープンソースで開発が進められているCADソフトウェアだ。

CAD = Computer Aided Design=コンピュータ支援設計、であり、今まで製図板の上で2次元で書いていた図面をコンピュータ上で3次元立体のモデルとして描くためのソフト。

有名なソフトが幾つか有る中、このソフトは無料だ。

 

主に機械系・建築系の設計の場で用いられるCADだが、有名どころの製品CADは値段が凄まじい。

企業向け商用版などは、100万円(!)超えも珍しいものではない。

 

大学ではSolidWorksを使っていて、大学の工学部用PCにはデフォルトでインストールされていたが、個人用にソフトが配れらまではしなかった。

SolidWorksの場合、学生版でさえ、約100ドルする。学校でCADを必要とする学科で授業を履修している事の証明になる証明も要るようで、学生でなくなってからは入手できない。

そこに、ライセンスはたったの1年ときた。個人利用には恐ろしく優しくない。

 

そんな中、このFreeCADは完全に無料だ。

趣味(いささかハードコアな趣味だが)で使ったり、CADの基本技能の練習目的に使うためには無料である事ほど嬉しい事は無い。

この先長々と紹介文が続くことになるが、もし、ここまでで興味を持って頂けたのなら、是非とも上に貼ったリンクに飛んで、トップページから最新安定版をダウンロードしてしまおう。

これを入手する上で、デメリットは何もない。無料だし、登録も不要。気に入らなければ削除すれば良い。

強いて言えば、貴方がCADで製図という、趣味ならざるものを趣味として楽しんでしまう危険が有るくらいだ。(笑)

 

Dプリンタが安価・身近になりつつあり、家庭に一台3Dプリンタが当たり前の日が近づいている今、それを使う上で必須となるCADを手元に備え、軽く使えるようになっておくのは、決して無駄なことではない筈だ。

このFreeCAD、3Dプリンタで標準で用いられている.stl ファイル型式への出力に、きちんと対応している。
 
Rockn_house2

Dプリンタが身近になったこともあり、Autodesk社の123Dと言うソフトが有名になっている。

他に、Design Spark MechanicalというCADも無償で利用できる。

しかし、どちらも製品を発売している企業からの無償製品なので、登録が必要であったり、完全個人利用に限られたり、有償版に機能制限がかけられたものだったりする。

また、ある日突然、企業側の都合で、機能制限の内容が変わったり、無償提供が辞められたりと言う可能性が、少ないにしろ有り得る。

 

そこで、FreeCADがオープンソースのソフトであることが魅力になってくる。

FreeCADは世界中の有志・ボランティア・趣味活動のプログラマ達によって開発が進められ、そのプログラムのソースコードは完全に総ての人々に公開されている。

よって、一部の人の都合で、ソフトが手に入らなくなったり、利用条件が変えられてしまったり、開発・更新が辞められてしまったり、というリスクが格段に小さい。

また、個人・非商用利用という制限もない為、将来もしも、このCADで貴方が何かを創って売りたい、となった際にも気にせず使い続けられる。

 

基礎からのFreeCAD オープンソースの3次元CAD (I/O books) [ 坪田遼 ]
by カエレバ

FreeCAD [How-to]【電子書籍】[ Daniel Falck, Brad Collette ]
by カエレバ


一応、公式サイトのライセンスについて触れられた説明文(少し、下手な訳だとは思いますが)とリンクを貼っておく。

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http://www.freecadweb.org/wiki/index.php?title=Licence/jp#.E5.95.86.E7.94.A8.E9.96.8B.E7.99.BA.E8.80.85

・個人ユーザー

個人ユーザーは無料でFreeCADを使用できます。基本的にはしたいことが何でもできるはずです....

・職業的ユーザー

個人的、職業的を問わずどのような仕事のためでも自由にFreeCADを使うことができます。アプリケーションは好きなようにカスタマイズ可能です。オープン、クローズドを問わず、FreeCADの拡張ソースを作成することができます。作成者は常にそのデータの主人であり、FreeCADの更新や使用方法の変更を強要されることはありません。FreeCADの使用によって、いかなる種類の契約や義務を負うことはありません。

・オープンソースの開発者

特別な目的のための独自拡張モジュールの土台としてFreeCADを使用することができます。開発者は、独占的なソフトウェアに対する自分の成果の使用許可を、GPLLGPLから選択することができます。

・商用開発者

商用開発者は、特別な目的のための独自拡張モジュールの土台としてFreeCADを使用することができ、そのモジュールのオープンソース化を強要されることはありません。開発者はLGPLを使用するすべてのモジュールを使用することができます。また自分の独占的なソフトウェアと一緒にFreeCADを配布することが許されます。一方通行ではないかぎり、開発者は原作者達からのサポートを得られるでしょう。

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また、FreeCADに限らずオープンソースソフトの常であり魅力だが、使える環境はWindowsには限られない。クロスプラットフォームだ。

公式サイトトップの時点で、WindowsUbuntuMac OSXFedoraの選択肢が用意されている。これら以外の環境であっても、ソースが公開されているので、ユーザーが自らコンパイルして対応できる筈だ。(以上以外のOSを使っている人がどの位いるのかが疑問だが。。。)

 

有志・ボランティアのプログラマ達が世界中からネット上でプロジェクトを進めている訳だから、当然、各製品より機能面でまだまだ遅れているし、開発・アップデートも遅めだ。

残念ながら、SolidWorksでは当たり前のアセンブリ(Assembly)も目下実装に向けて進行中だし、動体シミュレーションもまだ装備されていない。

 

しかし、それでも現在のV0.14の時点で、機械系CADとして無料ソフトとしては十分な機能を備えている。間もなリリースのV0.15ではアセンブリ(Assembly)が実装されつつあり、動作試験用のものであれば、既に試用可能。

Rim_bling

↑基本的な部品の設計は差支えなく行える。

 

SolidWorksでは当たり前の、

3次元モデルを2次元の図面(本業の機械加工屋さんに出すような)へ落とし込むこととPDFへの出力もほぼ全面的に可能なレベルに迫っており、

グループワークや実業務に使っても差し支えないソフトへと出来上がりつつあるのだ。
pms-02 05
 
↑試験用“Drawing Dimensioning”モジュールを用いて。

 

アセンブリ(Assembly)も動体シミュレーション(Motion Simulation)もそうだが、決して最初から開発の考慮に入れられず諦められている訳ではない。

開発計画について載っているWebページによると、将来の目標として、オープンソースの動体シミュレーションライブラリ、ODEOpen Dynamics Engine)を実装するとことも計画されているとの事だった。

いづれ、FreeCADで動体シミュレーションが行えるようになると期待はできる。

 

有志の手で創り進められているものなのだから、使う人が居る、という事は開発者にとっての一番の行動原動力だ。

誰かがダウンロードしてくれる、有意義に使ってくれる人が居る、これらはボランティアでものを創って配っている人々にとって何より嬉しい事だろう。

(一応断っておくが、私は、開発には一切関わっていない。CADのプログラムを書ける様な高等な知識・技能は持ち合わせてはいない。←言ってて情けない。。。)

貴方が公式サイトからダウンロードすることが、趣味で開発を進める人々のやる気をまた1つ高めることになる。

 

上にも書いたが、3Dプリンタが普及し、CADもより身近なものになるのはほぼ間違いない。

貴方が、近いうち3Dプリンタで何かを創ってみたいと思っているのならば、

学校などでCADを学んで、学習目的で無償のCADを探しているのならば、

3次元製図が必要な仕事・事業を行いたいが、有償ソフトの導入は厳しいという状況ならば、

もしくは3次元製図を趣味で楽しんでみたい、と思っているならば、

迷う理由は何一つない。今すぐ、冒頭のリンクに飛んで、このFreeCADの最新安定版をダウンロード・インストールし、早速遊んでみよう。

TaskPanel

 
日本語の解説や、書籍は極端に少ないが、別のCADを使った事があるのならば、そこまで大きく違う訳ではない。

DCAD未経験者には少し酷な環境では有るが、その分、公式サイト・英語の情報サイトやマニュアルを読んだり、多ソフト用の本に有るテクニックをこちらで応用・実践するなどを通し学び得られることが多いと捉えればいい。

 

より多くの人が、このFreeCADを気軽に使用し、有志開発の火がより大きなものに育ってくれれば幸いである。

いつか私自身、使い方をまとめるサイトを立ち上げるなどして、趣味の範囲で開発・頒布に少しでも寄与してみたいと思う次第である。



FreeCAD: Learn Easily & Quickly


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**以下は、ソフトの開発にまで手を出してみたいと思う人向けの追加文になります**

FreeCADはただのフリーソフトではなくオープンソースだ。

有志の手で開発が進められ、プログラムのソースコードが公開されているのだから、もしも、貴方にプログラミングのスキルが十分にあれば、改善したい部分だけを作り替えたり、自分独自のアイデアを加えたりして、自分だけの新たなソフトを派生させるのも構わない。

当然、そうして出来上がってくる派生ソフトも、元となったFreeCADのライセンスの条件は満たして外部に提供されねばならず、商品化目的でFreeCADを土台に使うのは恐らく良い考えとは言えないと思うが。

 

新ソフトを創るまではしないにしても、プロジェクト自体が基本的にオープンなのだから、一部のコードに改善を加え(よりスムーズに動作するように工夫を入れるなど)、現プロジェクトに提出して開発参加してみる事もできる。

アイデアを提案してみたり、解説サイトの翻訳を手伝ったりもできる。

世界規格化の一般的な部品のライブラリを創って、FreeCADによる機械製図をより楽なものにするのだって良い。

(それらを公式に採用してもらえる保証は、ない、が)

プログラマでなくともユーザーの立ち位置で関われることも有るのだ。

実際、公式サイトのトップには、幾つかユーザー或は開発関係者のブログやYoutube動画のリンクが紹介されている。

 

商用(無償含む)ソフトが、“みんなに”良いソフトを提供する、のであれば、

オープンソースソフトは、“みんなで”使いやすいソフトを創っていく、のである。